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肌の色を作り出しているのはメラニン色素です。メラニン色素は表皮の一番下にある
メラニン色素産生細胞(以下色素細胞と略記します。)で作られ,近くにある角化細
胞に送られます。そして細胞の核にあるDNAを紫外線から守る帽子の役割をしま
す。
シミはこのメラニン色素が過剰に作られて出来るもので,その原因には加齢,紫外
線,女性ホルモン,炎症等が関係します。このうち,紫外線によってできるシミは老
化現象の一つです。
紫外線の影響
紫外線を浴びると,色素細胞はメラニン色素を大量につくって,細胞の核を守ろうと
します。(いわゆる日焼けです。)通常,紫外線を浴びなくなると,色素細胞はメラ
ニン色素を作らなくなります。しかし,若いときに日焼け体験(海やスキーなどのレ
ジャーだけでなく,通勤,通学,洗濯物を干すなどの日常生活で浴びるものも含みま
す。)の積み重ねがあると紫外線を浴びなくなった後も,一部の傷ついた色素細胞が
突然活性化されて色素を大量に作り出してシミが現われることがあります。
女性ホルモンの影響
女性ホルモンのバランスが崩れると,メラニン色素をたくさん作らせる指令が出てし
まい,シミができるようになります。例えば,妊娠や経口避妊薬を内服している時,
更年期はシミができやすい時期です。
炎症による色素沈着
ニキビやナイロンタオルなどでの擦りすぎで生じる炎症の後にもシミ(色素沈着)が
残ります。炎症による色素沈着は徐々に薄くなっていきますが,日焼けすると消えに
くくなることがあります。
スキンケア
むやみに紫外線に当たらないこと,刺激となるような洗い方をしないこと,ヒリヒリ
感や赤みを引き起こす化粧品やナイロンタオルを使わないこと,過労やイライラを避
けることが大切です。
治療
ビタミンCにはメラニン色素の合成を阻害する作用があります。ビタミンCを多く含
む食品にはイチゴ,レモン,オレンジ,みかん,トマト、きゅうり,青菜類,いも類
等があります。ビタミンCの内服も効果的ですが,速効性はなく3ヵ月ほどしてから
効果が現われはじめます。ただし,ビタミンCには紫外線防止効果がありませんから
紫外線ケアはしっかりとしておきましょう。
おもなシミ
シミにはいろいろな種類があります。皮膚のどの部分で,色素細胞が増えているか,
どの深さにメラニン色素が蓄積しているかなど,しみの種類によって治療方法も異な
ります。またホクロやアザ(母斑)と区別がつきにくいこともあります。一度受診し
ましょう。
老人性色素斑
いわゆる日光黒子といわれるもので,日焼け体験の積み重ねが関係します。褐色で1
0円玉程度の楕円形をしています。老人性という病名がついていますが,年齢に関係
なく30歳台に突然あらわれることもあります。表皮の最も深いところにメラニンが
たまるため,茶色く見えます。
肝斑
中年女性によく見られます。ほほ骨から目尻にかけて,左右対称の色素斑ができま
す。このタイプのシミは紫外線で悪化することはあるものの,むしろ女性ホルモンの
バランスが関係するといわれます。なお肝臓の病気とは関係がありません。
後天性メラノサイトーシス
やや青みがかった茶色の点状のシミがほほ骨の周囲や目尻,額など顔の両側にできま
す。ほほから目尻にかけて点状のシミができるのが特徴です。肝斑とよく似ていま
す。真皮といわれる部分に色素細胞が出来てメラニンが増えます。メラニンが深いと
ころにある分,やや青く見えます。紫外線も影響します。
そばかす(雀卵斑)
成人になってからでてくるシミとは全く異なるもので,5〜6歳ごろから目立ちはじ
めます。遺伝が関係するといわれています。米粒ぐらいの大きさで淡い褐色をしてい
ます。思春期に最も目立つようになります。その後次第に薄くなっていくことが一般
的ですが,むやみに紫外線に当たっていると薄くならないことがあります。
ナイロンタオルによる色素沈着
ナイロンタオル等で健康な皮膚を強く擦ると色素沈着を生じます。肩甲骨など骨のす
ぐ上の皮膚に多く見られ,さざ波状の形をしているのが特徴です。摩擦によって無理
に健康な皮膚がはがされ,炎症をひきおこすことが原因です。子の色素沈着は表皮に
たまったメラニン色素によるもので,最初のうちは垢とともに自然にはがれ落ちてい
きます。しかし,摩擦刺激が長期間続くと,真皮といわれる深い部分にメラニン色素
が落ちたり,ある蛋白が沈着したりします。真皮に落ちたメラニン色素は皮膚の細胞
に貪食処理されるため,目立たなくなるのに時間がかかります。ナイロンタオルの使
用はやめましょう。
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